「コンビニバイトで生計を立てる」
かつて私にとって、それは当たり前の日常でした。
しかし、5年という月日を経て、私はその「当たり前」を手放す決断をしました。
なぜ私は、慣れ親しんだ職場を去ることにしたのか。
今回は、私がコンビニバイトを辞めると決めた「9つの理由」を赤裸々にお話しします。
- 勤務期間: 5年間(コンビニバイトのみで生計を維持)
- 経験店舗数: 7店舗(複数店舗の掛け持ち経験あり)
- 経験シフト: 全時間帯(早朝・日中・夕勤・夜勤)
- その他: 社員候補としての勤務経験あり
私がコンビニバイトを辞めた9つの理由
感染症への圧倒的なリスク
私はコロナ禍以前からコンビニで働いていましたが、当時は毎日が感染のリスクとの戦いでした。
体調が悪そうな方も普通に来店されるため、「いつうつされるか」と常にビクビク。
特にマスクをせず、至近距離で激しく咳き込むお客さまが来たときは、「あ、これは絶対に感染したな…」と覚悟したほどです。
幸い、人一倍免疫力が強いのか、今日までコロナやインフルエンザに一度もかかることなく過ごせています。
しかし、あの頃の接客現場で感じていた精神的なすり減り方は、今思い出してもゾッとする経験です。
名ばかりの休憩時間
当時は「これが当たり前」と思っていましたが、今の仕事に就いて初めて、休憩時間とは本来「業務から完全に離れるべきもの」だと気づきました。
店舗にもよるでしょうが、基本的に二人体制の現場では、客足が落ち着いた隙を狙って交代で休憩を取ります。
しかし、実際には休憩中であってもレジが混めば呼び出され、結局は仕事の延長線上のようになりがちです。
一切の業務に携わらずに休むことがこれほど難しいのかと、今の環境と比較して改めてコンビニ現場の厳しさを痛感しています。
有休が使えない不条理
コンビニでもフルタイム勤務なら当然「有給」は付与されますが、実際に消化するのは至難の業です。
最大の理由は、常に最低限の人数で店を回している「余裕のなさ」にあります。
休みを取るには自力で代わりを見つけるのが暗黙のルール。
それでも見つからなければ単発バイトなどの外部応援を依頼してくれることもありますが、余計な人件費を嫌う店長やオーナーからは冷ややかな目を向けられます。
結局、在職中に有給を使うことはほぼ叶わず、「退職時にまとめて消化する」のが唯一の手段となっているのが実情です。
権利のはずが、人手不足とコスト削減の圧力で形骸化している。
こうした環境も、長く働き続ける意欲を削ぐ大きな要因となりました。
レジが暇すぎて辛い
1分経つのが1時間くらいに感じるほど、レジに立っているだけの時間は「暇疲れ」して本当に辛かったです。
フルタイム勤務であれば、発注やレジ締めなどの業務に追われてあっという間に時間が過ぎます。
しかし、副業で勤めていた店舗は1日2〜4時間程度の短時間勤務、かつお客さんがほとんど来なかったため、基本的には「レジに立っといて」と言われるだけでした。
もちろん、レジにいる間もカウンター内でできる作業は行っていましたが、それでも時間は余ってしまいます。
特に「朝8時〜夜22時」という、今思えばとんでもないシフトで入ったときは地獄でした。
品出しや前陳(商品を手前に並べる作業)、清掃をめちゃくちゃ丁寧に完璧にこなしても、時間は腐るほど余り、精神的に死にそうになっていたのを覚えています。
オーナーに「何かやることはありませんか?」と仕事の指示を仰いだこともありましたが、「特にないからレジにいて」と言われるばかり。
「この空いている時間に、自分のやりたいことができたらどれだけいいか……。本当にもったいないな」と、ずっと思い悩んでいました。
珍しい名前による身バレの恐怖
私は人生で一度も同姓に会ったことがないほど、珍しい名前をしています。
接客業をしていると「珍しいね」と言われることも多かったのですが、実はネットの口コミサイトで実名を晒されるのが怖くて仕方ありませんでした。
事実、勤務先のコンビニではスタッフの本名がネットの口コミに晒される事態も起きていました。
今の時代、名札一つでプライバシーが脅かされる現状には、強い危機感を抱かざるを得ません。
悩ませるレジ袋有料化の壁
レジ袋有料化で何より神経を使うのが、お会計前の「袋の枚数とサイズの見極め」です。
大量の商品を前に、瞬時に何枚必要かを判断しなければなりませんが、これが意外と難しい。
特に、温かいお弁当と大きな2リットルのペットボトルの組み合わせは最悪です。
袋を分けるべきか、一つにまとめるべきか……。
判断を誤ると、お会計のやり直しやクレームに直結します。
今後、スプーンや箸などのカトラリーまで有料化が進めば、さらなる説明の手間やトラブルが増えるのは目に見えており、現場の負担とリスクだけが確実に積み上がっていると感じます。
不特定多数と接する防犯上の不安
ここ最近、コンビニ店員が刃物で刺されるといった痛ましい事件が相次いでおり、日本の治安悪化を肌で感じずにはいられません。
コンビニの現状を考えると、24時間体制で店長やオーナーなどの責任者が常駐している店舗はごくわずかです。
基本的にはアルバイト数人だけで店を回しており、万が一のトラブルも、その場のスタッフだけで対処せざるを得ないのが実情です。
身近で便利なコンビニですが、その裏では、守ってくれる責任者がいない過酷な環境で、アルバイトたちが常に危険と隣り合わせで働いています。
これほどのリスクを背負いながら、それに見合う賃金が得られていない現状には、強い疑問を感じます。
性格的に「受け流す」のが難しい
接客業を続けていれば、本来なら受け流す力が身につくものですが、私は真逆のタイプでした。
お客様からのちょっとした一言をいつまでも引きずってしまい、その動揺から初歩的なミスを繰り返す日々。
5年経験しても、状況に応じた臨機応変な対応ができるようにはなりませんでした。
20代なら「まだ若いから」で済むかもしれませんが、30代は周囲から見れば立派な大人です。
年相応の立ち振る舞いができず、精神的にも疲弊していく自分を目の当たりにし、「私は接客業に向いていない」と痛感しました。
逃げ場のない人間関係と人生の損失感
夜勤も経験しましたが、当時のシフトは休憩1時間を含む10時間拘束。
そこで何より辛かったのは、相性の悪いスタッフと二人きりになることでした。
一日のうち、9時間も気を遣う相手と同じ空間で過ごさなければならない。
「この時間は、一体何の修行なのだろう」と考えるうちに、自分の人生においてあまりに時間がもったいないと感じるようになりました。
密室ともいえる夜のコンビニで、逃げ場のない人間関係に精神をすり減らす日々。
それが、自分の働き方を見直す大きなきっかけとなりました。
5年間の葛藤に終止符。私がコンビニバイトを辞めて手に入れた「心の平穏」
5年という月日は、私にとって決して短いものではありませんでした。
生活を支えてくれたコンビニバイトには感謝もありますが、それ以上に「自分自身の平穏」を優先したいという思いが勝った結果の決断です。
「30代だから」「生計があるから」と自分を縛り付けていましたが、思い切って転職した今、何物にも代えがたい安心感に包まれています。

